ビタミン

ビタミンEは、のんでから6時間たたないと効き目がみえてこない。夕食後にのむか、できれば毎日のむことが大切。

夜遊びが過ぎて就寝が遅ければ、当然、朝の目覚めも悪くなります。これは明らかに睡眠不足が原因。
また夜勤が重なって過労気味のときも、どうしても朝の目覚めは悪くなります。そんな場合は、ビタミンB群が効果があります。とくに糖分とビタミンB1をとって疲労感を取り除くのが良策です。

目覚めが悪いだけでなく、何となく体調が思わしくない、イライラする、ときどき動悸がする、といった自律神経失調気味の人には、ビタミンEがよく効きます。ただしビタミンEは、のんでから6時間たたないと効き目がみえてこないので、朝のんでもすぐには効きません。夕食後にのむか、できれば毎日のむことが大切です。

「うつ」気味の人も、朝の目覚めはかんばしくありません。最近はストレスによって、うつ気味の人が増える傾向にあり、要注意です。うつには、神経の働きを活発にするビタミンB1が効果的です。
大量のビタミンB6とニコチン酸が、うつに効くという詰もあります。アメリカで、払またはニコチン酸を、うつ病の人に大量投与したところ、うつが治ったという経験が報告されているのです。B6とニコチン酸の効果は、まだ医学的に証明されたわけではありませんが、試してみる価値はあるでう。
自律神経が正常に機能しているからはこちらで確認できます。

ビタミンB1、Cが不足すると、大人でも気力が低下し、ストレスが、孟消できず、情撞不安定になる。

昔から「野菜ぎらいの子どもは情緒不安定」といわれます。ビタミン剤がなかった昔は、野菜や果物からしかビタミンが補給できなかったため、野菜ぎらいだと、ビタミン不足になって当然でした。

とくにビタミンB1、Cが不足すると、大人でも気力がなくなり、ストレスがうまく解消できず、情緒不安定になってしまうのです。どうも体調が思わしくないため、病院で検査をしても異常がなく、その結果、自律神経失調症と診断される人がいます。

現代のようなストレス社会では、こういう人が結構いるものです。ところがこういう人にビタミンB1、Cをのませると、うそのように元気になることが多いのです。自律神経失調症と思われた症状が、じつはビタミンB1やC の軽い欠乏症だったというわけです。

またストレスがたまると、副腎皮質はホルモンを大量に分泌してストレスに対抗し、体調を整えようとします。ビタミンCをのんで効果があるのは、その副腎皮質ホルモンの生産を活発にする効果があり、ストレス解消に役立つからです。

たとえ野菜ぎらいでなくても、独身者や共働きの人は、料理に手間をかけられず、どうしても野菜不足になりがちです。そうした野菜不足の人は、ビタミンB群とビタミンCをビタミン剤で重点的に補給し、どうかストレスをできるかぎり軽減するようにしなければなりません。

脂肪のとりすぎ→高コレステロール血症→動脈硬化を防ぐためには、ビタミンEをたくさんとりでおく必要がある。

たしかに肉類は良質なタンパク源に違いありません。だからといって肉ばかり食べて野菜を毛嫌いしていると、ビタミン欠乏症をはじめ、高脂血症など、さまざまな不都合が生じてしまいます。

近ごろは「健康のために」といって、お肉大好きとは逆のベジタリアン（菜食主義者）が結構増えています。しかしいくら健康のためといっても、肉類をまったく食べないとなると、「タンパク質が足りない」という事態にもなりかねません。
「タンパク質最少の法則」と呼ばれる仕組みのために、動物タンパクを摂取しないと、私たちの体に必要なア三ノ酸が十分にそろわないからです。

食事からとったタンパク質は、体内でそのままの形で利用されるわけではありません。摂取されたタンパク質は、アミノ酸に分解されてから腸壁から吸収され、体に必要なさまざまなタンパク質が腸から吸収されます。じつはこのとき、ビタミンB6臥の出番がまわってきます。タンパク質を合成するにあたって、ひとつの部品つまりあるアミノ酸が足りなくなると、そこでビタミンB6の助けが必要となるのです。肉類が良質のタンパク源だといっても、必ずしも人間の体に必要なアミノ酸が必要な割合で含まれているとはかぎりません。そこで足りないアミノ酸を、余っているアミノ酸を使ってつくるさいにB6が活躍します。タンパク琴11グラムに対して0.016mgのB6が必要です。

ここで「タンパク最小の法則」について説明しておきましょう。人間の体は、大部分のアミノ酸は合成できるのですが、8種類のアミノ酸だけはどうしても合成できません。すなわち、リジン、スレオニン、メチオニン、フェニル、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、イソロイシン、ロイシンの8種類で、これを必須アミノ酸といっています。

体内で合成できないこれらの必須アミノ酸は、食べ物から摂取しなければ「部品」不足に陥り、体に必要な量のタンパク質が合成できません。そうなると人間は、栄養不足どころか生存そのものが危うくなってしまいます。

よく「栄養素のバランスを考えた食事を」といわれますが、その考えのなかには、必須アミノ酸の摂取も含まれているのです。もちろんビタミン、ミネラルも重要です。肉頬には、いま説明した必須アミノ酸が比較的まんべんなく多量に含まれていますが、植物性タンパクには、ある種の必須アミノ酸が少ないものや、まったく含まれていないものもあります。したがってベジタリアンの人は必須アミノ酸が足りず、場合によっては健康を損なうもとになってしまいます。そのためアメリカのベジタリアンは、動物タンパクとして卵だけは食べるベジタリアン、牛乳だけは飲むベジタリアンが増えているそうです。

ケーキは糖質そのものともいえる砂糖が多量に含まれているため、ケーキを食べるとビタミンB1を余計に消費する。

友達と喫茶店に入り、コーヒーだけかと思ったら、「私はケーキセットにするけど、あなたは？ 」といった具合に、ケーキに目のない女性は多いもの。こうしたケーキ大好きの女性は、肥満が心配なだけでなく、ビタミンB1の欠乏症にもなりやすいので要注意です。
ビタミンB1は、糖質の分解を助ける役割を担っているビタミンです。
ケーキは、糖質そのものともいえる砂糖が多量に含まれているため、ケーキを食べるとビタミン臥を余計に消費することになります。したがってケーキを食べすぎてビタミンB1が不足すると、糖質の代謝がうまくいかないため、ピルビン酸や乳酸といった疲労物質が体のなかで増えてしまいます。そうなると、疲れやすい、動惇や息切れがする、イライラして落ちつかない、などの症状が出る不定愁訴症候群に苦しむことになりかねません。
病院で診てもらっても、「自律神経失調症です」と診断されるぐらいがオチで、その原因も不明のまま、病院をあとにすることでしょう。

もし、あなたがケーキ大好きの女性で、原因不明の愁訴に悩まされていたら、試みに「吸収されやすい形のB1」（アリナミンFなど）を一週間ほど続けてのんでみてください。それで症状が軽くなるようなら、あなたの体の不調は、ビタミンB1不足が原因だったと考えられます。

肥満の弊害を解消するのに役立つビタミンはB2、C、パントテン酸。1日1グラムのビタミンCは卵5個分のコレステロールを減らす。

肥満は、さまざまな成人病の原因になります。まず第一に、糖質の代謝に欠かせないインスリンというホルモンが、肥満によって働きが鈍くなり、その結果、糖尿病が発病しやすくなります。

また肥満は動脈硬化を促進する大きな原因となり、狭心症‥心筋梗塞など虚血性心疾患と呼ばれる心臓病や脳梗塞の原因となります。内臓の病気だけではなく、腰痛、膝や足首の障害など、肥満は整形外科領域の病気をもたらします。
それが運動不足を招くことになるため、さらに肥満になるという悪循環も起こります。そこで太り気味の人は、定期健診のときや人間ドックなどで、医師から「体重をコントロールするように」とアドバイスを受けます。
わが国では、肥満を単に成人病の原因としてとらえているだけなのですが、アメリカでは「肥満は成人病の原因というよりもひとつの疾患」として扱われているといいます。

では、どれぐらい肥満していると「病気」として考えなければならないのでしょうか。定期健診などでは、ふつう「ブローカ変法」と呼ばれる（身長マイナス１００） ×0.9 の数式で標準体重が割り出され、その標準体重よりも20％以上体重が重いと、要注意の肥満と判定されます。しかしこの判定法には少し難点があります。スポーツや労働で鍛えられ筋肉のついた固太りの人でも、身長が低いと肥満と判定されてしまうからです。
逆に身長が高いと、多少太っていても正常体重と判定される可能性があるのです。そこで最近では、BMIと呼ばれる国際的肥満評価法が用いられるようになってきています。

BMI は、体重（キログラム）を身長（メートル）の2乗で割った数値であらわされます。日本人の場合、年齢に関係なく正常値は男性21〜23、女性20〜2で、成人病に要注意の肥満は、男性が27以上、女性は26以上とされています。

あなたもー度、このBMIで肥満度を計算してみてください。計算の結果、要注意の肥満とわかった人は、真剣にダイエットに取り組む必要がありそうです。

運動不足も肥満の原因になりますが、運動による消費力ロリーの増加は大したことはなく、運動よりも先に食事制限が大事でしょう。食事制限のボイン卜は、摂取カロリIが消費力ロリーをオーバーしないように、食事の量を減らすことです。ビタミンをのむのは、食事制限と運動によって肥満解消に取り組む場合の補助手段にすぎません。ビタミンだけでは肥満解消は不可能であることを理解してください。肥満の弊害を解消するのに役立つビタミンは、ビタミンB2、C、パントテン酸などです。
ビタミンCは、コレステロールが動脈に付着しないようにすると同時に、善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らす作用があります。

善玉も悪玉もリポタンパク・コレステロールなのですが、性質がまったく異なります。悪玉は比重の軽いリポタンパクに含まれ、このリポタンパクは末梢の組織にコレステロールを届ける宅急便の役割を担っています。
末梢の組織では、届けられたコレステロールを材料に使って細胞膜を合成するほか、副腎では大切な副腎皮質ホルモンの材料としてコレステロールが使われます。
このようにコレステロールは、体にとって大切な物質です。それなのに、なぜ悪玉呼ばわりされるコレステロールがあるのでしょうか。
それは、宅急便が増えすぎると、コレステロールが末梢へ余分に運ばれ、それが動脈壁に付着して動脈硬化の原因になってしまうからです。一方の善玉は、比重の重いリポタンパクに含まれ、末梢で余ったコレステロールを回収し、肝臓へ持ち帰る「掃除屋」です。そのために善玉抜いを受けています。したがって善玉が増えれば、動脈硬化の予防につながるというわけです。

ビタミンCもパントテン酸も、この善玉を増やす作用をもっているのです。たとえば次のような臨床例もあります。血液100cc中に253 ミリグラムの総コレステロール（正常値はー50～220ミリグラム） のあった人に、1 日1グラムのビタミンCを半年間投与し続けたところ、血中総コレステロール値が210 ミリグラムまで落ちたという臨床例です。

ポーリング博士の研究でも、1日1グラムのビタミンC は卵5個分のコレステロールを減らす効果があると報告されています。またビタミン臥は、糖質を分解するときに重要なビタミンなので、余った糖質が脂肪になって体に蓄積されるのを防いでくれます。ビタミン払のほうは、脂肪を燃やしてエネルギーに変えるビタミンです。脂肪の多い食品の食べすぎで肥満になるのを防いでくれるビタミンです。
ダイエットに必須のビタミンCですが最近は、ガン対策にも注目を集めています。現代人には必要なビタミンであることに間違いありません。野菜などの自然食品から摂取したい場合には、

• ブロッコリー
• 芽キャベツ
• ピーマン

などを積極的に食べるようにすればOKです。