脂肪のとりすぎ→高コレステロール血症→動脈硬化を防ぐためには、ビタミンEをたくさんとりでおく必要がある。
たしかに肉類は良質なタンパク源に違いありません。だからといって肉ばかり食べて野菜を毛嫌いしていると、ビタミン欠乏症をはじめ、高脂血症など、さまざまな不都合が生じてしまいます。
近ごろは「健康のために」といって、お肉大好きとは逆のベジタリアン(菜食主義者)が結構増えています。しかしいくら健康のためといっても、肉類をまったく食べないとなると、「タンパク質が足りない」という事態にもなりかねません。
「タンパク質最少の法則」と呼ばれる仕組みのために、動物タンパクを摂取しないと、私たちの体に必要なア三ノ酸が十分にそろわないからです。
食事からとったタンパク質は、体内でそのままの形で利用されるわけではありません。摂取されたタンパク質は、アミノ酸に分解されてから腸壁から吸収され、体に必要なさまざまなタンパク質が腸から吸収されます。じつはこのとき、ビタミンB6臥の出番がまわってきます。タンパク質を合成するにあたって、ひとつの部品つまりあるアミノ酸が足りなくなると、そこでビタミンB6の助けが必要となるのです。肉類が良質のタンパク源だといっても、必ずしも人間の体に必要なアミノ酸が必要な割合で含まれているとはかぎりません。そこで足りないアミノ酸を、余っているアミノ酸を使ってつくるさいにB6が活躍します。タンパク琴11グラムに対して0.016mgのB6が必要です。
ここで「タンパク最小の法則」について説明しておきましょう。人間の体は、大部分のアミノ酸は合成できるのですが、8種類のアミノ酸だけはどうしても合成できません。すなわち、リジン、スレオニン、メチオニン、フェニル、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、イソロイシン、ロイシンの8種類で、これを必須アミノ酸といっています。
体内で合成できないこれらの必須アミノ酸は、食べ物から摂取しなければ「部品」不足に陥り、体に必要な量のタンパク質が合成できません。そうなると人間は、栄養不足どころか生存そのものが危うくなってしまいます。
よく「栄養素のバランスを考えた食事を」といわれますが、その考えのなかには、必須アミノ酸の摂取も含まれているのです。もちろんビタミン、ミネラルも重要です。肉頬には、いま説明した必須アミノ酸が比較的まんべんなく多量に含まれていますが、植物性タンパクには、ある種の必須アミノ酸が少ないものや、まったく含まれていないものもあります。したがってベジタリアンの人は必須アミノ酸が足りず、場合によっては健康を損なうもとになってしまいます。そのためアメリカのベジタリアンは、動物タンパクとして卵だけは食べるベジタリアン、牛乳だけは飲むベジタリアンが増えているそうです。